- 脈診流とは、どのような流派なのですか?
- 脈診流とは中国古代の古典医学(漢方医学)の伝統を正しく伝えるもので、決して一流一派に偏った治療技術ではありません。
元々、西洋医学による刺激理論の局所的な鍼灸術と区別するために、昭和14年頃より用いられた名称で、正式には“経絡治療”と言います。 漢方医学は5千年前の夏・殷・周時代に始まり、口から口へ、手から手へと伝えられ、2千年前に黄帝内経という医学総合理論書に書き残され、その後仁術として東洋民族とともに発展してきました。
わが国には紀元6百年頃の飛鳥・奈良朝時代に仏教とともに伝わり、平安、鎌倉、江戸時代を経て、優れた学者を生みつつ今日に伝えられています。明治時代に西洋医学が導入されるまで、すべて鍼灸術は漢方医学に基づいた“脈診流”であったため、あえて“脈診流”等と言う必要がなかったのです。
- 鍼灸治療は体質的に合う合わないがあるのですか?
- 脈診流鍼灸治療においてはありません。脈診流鍼灸では、症状のみを聞いてむやみに鍼をするということがないからです。漢方医学では古来より四診法(望診、聞診、問診、切診)を通して患者さんの現在の状態を診察、診断し、個体差を重んじて一人一人の患者さんに合わせた治療が行なわれてきました。
例えば同じ患者さんの肩凝りでも、来院される日により身体内部の病理状態(肩凝りを起こす原因となる病的状態)が異なります。
脈診流鍼灸治療では脈を診ることによってその日の状態を把握し、それに合わせた的確な治療をすることができます。いわば脈診は船でいう羅針盤のようなものです。
脈を診ない針灸治療は羅針盤を持たずに船を操縦するようなもので、身体の状態と治療方針とが一致しない場合が多くあり、このような治療を受け症状の改善がみられなかったり、却って悪化したという経験をされた方の中から「はりは合わない」…等の言葉が出てくるわけです。
このような方も是非、脈診流鍼灸治療を体験され正しい認識を持っていただきたいと思います。
- 初めての鍼治療で、痛くないか心配なのですが・・・
- 当院の治療は刺激治療ではありませんので、痛みはそれほどきつくありません。皆さん治療中はリラックスされ、眠気をもよおす方も多くおられます。
もし、どうしても『はり』の感覚(「鍼響」といわれる特有の感覚)が苦手な方には、できるだけ苦痛なく治療する方法もあります。
- 鍼灸治療は治るまで時間がかかるのですか?
- 軽度の肩凝りや腰痛など、ある程度身体が健康な状態であれば1~2回で充分な効果があらわれ、様子をみていただく場合もあります。
しかし、原因が単純な疲労からではなく、身体内部の負担が相当大きくなって、症状が出ているものは、根本治療のためある程度の治療回数が必要になります。
その代わり、このような根本治療を行なうと体質強化にもつながり、他の病気にもかかりにくくなります。根本治療の視点から見ると、治療期間は短い治療法であると言えると思います。