今年3月に六本木ヒルズがプチリニューアルし、オトナ女性のためのファッションブランドが充実した。ウエストウォーク3階にサザビーリーグの「エブール(EBURE)」とベイクルーズグループの「プラージュ(PLAGE)」が新規オープンしたほか、サンエー・インターナショナルの「アドーア(ADORE)」も移転リニューアルオープンした。いずれも素材やディテール、シルエットに定評があり、スタイリストやバイヤーなど服のプロフェッショナルからの支持が高い。その魅力を新たに探るべく、ブランドと縁の深い服のプロたちにおすすめの商品とそのスタイリングポイントを聞いた。シリーズ第2弾は、芸能人や著名人も数多く愛用している「アドーア」をお届けする。
スタイリングを提案するのは、これまでモード誌とのタイアップ記事や公式サイトのウェブカタログなどで「アドーア」を数多く手掛けてきたスタイリストの上杉美雪さんだ。ブランドの魅力について上杉さんは「着心地がよくてしなやかという印象でしょうか。体と動きになじみがいい素材を使っているけれど、リラックスし過ぎない立体的なシルエットがポイントで、ビジネスシーンなどの都会的なシーンとの相性がとてもいいんです。カッコよさとリラックス感と機能性がうまく融合していると思います」と話してくれた。
まず上杉さんがピックアップしたのが、ビビッドなグリーンが目を引くリネン混のドレス。1枚で着られるように計算された素材やシルエットがポイントだという。「素材にリネンが入っていることでハリが出るので、1枚でもキレイに着ることができます。丈もふくらはぎの途中のいわゆるミモレ丈で、長すぎず短すぎず、ちょうどいいバランス。ウエストからボトムにかけて少しボリュームの出るシルエットなのですが、ちょうどいい素材の落ち感があるので、洗練されたムードになってますね。1枚で存在感があるのでフラットなサンダルを合わせてエフォートレスなスタイルを楽しめそうですね。これからの蒸し暑い時期に、一枚でテンションが上がるドレスは重宝します」。
フェイクレザーのパイピングがあしらわれたリネン100%のジャンパースカートは使い勝手の良さが光る。「今回のようにタイトなトップスを合わせるのはもちろん、両サイドのボタン部分を開けて、ジレとしても着られます。中にドレスを合わせたレイヤードも素敵です。あえて付属のベルトをせず、ストンとしたシルエットでもきれいですし、シンプルなタンクトップでカジュアルにも着こなせます。黒のパイピングやボタンのディテールが利いているので、パンプスなどを合わせればオフィスでも着られますし、ヌーディーなサンダルを履いてリゾートでのスタイルを楽しむのもおすすめです」。
サイドに付いたドローストリングスでウエストを調整できるパンツは、色とシルエットのバランスに気をつけてスタイリングをするのがコツだ。「この絶妙なピンクベージュの色合いが素敵ですよね。ドローストリングスがスポーティーな雰囲気なので、あえて女性らしいトップスを合わせました。ピンクベージュには、今回のように黒など引き締まる色を合わせるとカジュアル過ぎずに整います。白シャツをインしてもいいと思います。ドローストリングスをあえて緩くしめてズルっと着ても素敵ですね。その場合は、トップスをタイトなシルエットにするとバランスよく着られるかと思います」。
キレイめに見えながらリラックス感もあるパンツは、後ろに入っているスリットがポイント。「ジャストウエストか、少し落とし気味にはくとキレイだと思います。ウエストが後ろだけゴムなのできちんと見えつつも着やすいのがうれしいですね。裾にはスリットが入っていて、エレガントさとカジュアルが上手にミックスされた完成度の高いアイテムです」と上杉さん。トップスに合わせたTシャツもスタイリストならではの視点だ。「大人の女性が着るTシャツってなかなか難しいんです。これはボクシーなシルエットといいワイド感といい、ポケットの大きさやハイネックといい、とても気が利いたデザインだと思います。ここまで主役感のあるTシャツは珍しい。着心地のよさを保ちつつ、きちんとして見えるのは大人の女性にとって重要なポイントです」。